昨夜の出来事
たった日給一万円の仕事を終えて、握り寿司のごとく詰め込まれた電車の中、その女はいた。
短めの髪、女としては高めの身長、そして全くない胸...
後ろから見ると自分の好きだった人間の特徴そのものすぎて本当にビックリした。
それから人も減らずにただ詰め込まれた十数分、特に満員電車でやることもなかったので後ろから凝視していたが、降りる瞬間にその女がこちらを振り向いた。
しばらく見つめ合ってしまった気がしたが、おそらく他人であったと思う。正直曖昧だ。
きっかけは趣味だったはずで、何度も一緒に遊びにいく中で関係を深めた。
それから多くの時間をともに過ごして、互いの道を歩もうと決め、数年が経った。
あの頃好きだった理由は結局のところ定かではない。