仮に、平和に暮らす人々の「恐怖心」が魔王軍団の活動の源泉だとしたら
その根は地中、世界中張り巡らされていて、
実は魔界のもの同士は、その根を伝い互いにやり取りをしていました。
いわば貴重な通信網。
もちろん、そんなことを人々は知りませんから
魔王たちにとっては、人々が生む大木への大きな「恐怖心」は貴重でした。
魔王「木、焼き払われちゃったね~」
部下「たしかに、連絡はもとより、木の一番上の若葉は我々にとっても貴重な薬にもなりました、
それは、人間らにしてもなぜか同じ。」
魔王「だけど、人間たちってその若葉の効能気付かなかったんだよね、もったいないね。
まぁ、木の見てくれが不気味だったんだろうけど、焼き払わなくてもね。
木は大事にしなきゃ、あれでも一応は自然のものなんだけどねー」
魔王「あの若葉で包んで焼いた肉は美味しかったのになぁ(ぶつぶつ
ところで東の果ての地の一番大きな大木は残ってるよね?」
部下「はい、さすがにあの大木は人々の手で焼き払うのは無理でそのまま残っております、
じきに枯れるでしょう」
魔王「うーん、枯れそうか、あそこも根が生きていたら便利だったのにな、
とりあえず、今はそのまま残しておこう。特に差し支えはないだろうし」
部下「その、ただ……」
魔王「どうしたの?」
部下「大木なゆえ、人々が幹の中に勝手に住み始めてしまいました」
しかもその幹の中はかなりの層になってて、人々の暮らしが発展しているとのこと」
魔王「あんな所に人が無理して住まわなくてもいいのにね、
ま、人が増えればその後の「恐怖心」も大きくとれるだろうし、まぁいいか」
意外と木が好きで寛容な魔王?
仮に、平和に暮らす人々の「恐怖心」が魔王軍団の活動の源泉だとしたら 部下「ご無沙汰ですね。しばらく籠もっておられましたが」 魔王「そうなんだよ、世界中の大木が枯れちゃ...