妹が間もなく臨月を迎える。腹の子の生育は順調で性別は女だと既に判明している。
先日会って話をした時に「可愛い顔に産まれてくれると良いんだけど。うちの亭主は一重まぶたで天パーだから似ないでくれるように祈るしかない」というようなことを話していた。同席していた母も同意見であった。
ブサイクで一重まぶたで35歳独身確定の姉貴の前で普通言うかお前ら、と内心で思いながら「可愛い可愛いと親が言って育ててりゃ自然と可愛い子になるよ」と適当に相槌を打って聞き流した。
所謂メンデルの法則に従えば、一重まぶたの父を持って産まれた妹が一重まぶたの亭主と結婚して産まれてくる確率は残念ながら50%となる。
「一重は劣性遺伝だから、二重の男と結婚していれば75%〜100%の確率で一重を回避できたと言うのに今更そういうのと結婚して子供までこさえといて今更アホか、ブスが産まれて来てほしくねえなら最初からイケメンの亭主見繕うか子供作るの諦めろよ、さもなきゃ腹の子の前でブスなお前は愛せないみたいな事抜かすな」と思ったが、世間を見てると別段妹だけが考えなしのアホなわけでもないようだから、子供を作るって行為はこの程度の無責任さが無いとやっていけないのだろうなとも考える。
「一人っ子だと可哀想」という自分には到底理解し難い理由から妹夫婦は早くも二人目以降の繁殖を検討中だという。
この親から産まれてくる以上は、どっちの子供の容姿レベルもできれば同程度、叶うのであれば虐待や兄弟差別に繋がらない程度の高さである事を他人事ながら祈ってやまないところである。