巷で溢れる「絵がうまくなるために必要なこと」。実物を見ろとか、とにかく描けとか、そういうのを見てるとなんか違う、なんか欠けてると思うようになった。
なぜだろう。そういうのを見ても、ちっともうまくなる気がしないんだよ。
知恵袋や2ちゃんねるではこの手の言説が普通にまかり通っているし、実際グーグル先生で「絵 上達法」を検索する人達はそういう結論に達する。
あぁ、とにかく描くしかないんだな・・と
欠けているものってなんだろう。
多分それは、「好きになることの大切さ」なんだ。
絵がうまくなる人ってどんな人だと思う?
ものすごい気迫があって、執念があって、汗をだらだら流しながら、苦しみながら描いてる人だと思う?
違うんだよ。絵がうまくなれる人間っていうのは、絵を描くことが好きになれる人間なんだ。
なんだよ、って思うかもしれない。
それなら絵の上達法でも結構指摘されることじゃん、と。あたりまえのことじゃん、と。
でも、上で挙げた冷たい「上達法」の中には、そういうのが全く入ってこない。
そして、絵を描くことが好きになる、という上達法は、テクニック的なものというよりは単なる「気の持ち方」程度にしか考えられていない気がする。
そうじゃない、そうじゃないんだ。
絵を描くことが好きになるっていうのは、絵を描こうとする上で最も重要で根底にあることなんだよ。
それをテクニックと切り離してたいして重要でないもののように扱うからおかしなことになる。
絵が下手な人っていうのは世の中にたくさんいるけど、その中のほとんどは「絵を描くのが好きになれない人」だと俺は思ってるんだ。
絵を描くのが好きな人って自然に上達するっていうのは、良く言われることだし実際子ども時代とかに身の回りに結構いたと思うんだよね。
そういう当たり前のように見えることが、実は一番根本で大事なことなんだけど、どうも軽く考えられてる。
絵が好きになることがどうして絵がうまくなるために何より重要なのかといえば、それはこう考えてみると分かる。
好きなることで生産性が向上するのは、単純作業ではない仕事の場合だ。絵を描くことは単純作業か?と考えると、そうではない。
絵を描くのって、たとえば構図を考えるとなると頭の中で色々考えないといけないし、調子が出ない時は描けなかったりする。
マンガ家にスランプっていう状態があるのが何よりの証拠。単純労働にスランプはない。
絵を描くのが好きになれば自然と上達しますよ、って言う人達って、じゃあその方法は?っていうと答えられない。
描いてれば好きになるんじゃない?とか、なんか曖昧になってしまう。
多分それは、絵を描くのが好きになるっていうことが「感情」に根差したもので、テクニックと違ってかっちりしたものではないからだろうと思う。
じゃあ本題。
絵がうまくなるために必要なたった一つのこと。それは、絵が好きになること。
絵が好きになるために必要なこと。それは、「模写すること」
おいおい結局巷の言説と同じになっちゃったじゃないかって突っ込みはもっとも。
でも、巷の言説っていうのは、模写に妙に慎重になってる。
好きなマンガ家さんの絵を模写していると癖がついちゃって危険です♪とか、写真の模写をすると立体が把握出来ないのでいけないと思います♪みたいな。
そうじゃないんだよ!!
絵が好きになるために必要なことは模写、しかしその模写は「自信をつけるために」必要なことなんだ。
模写って、つまりは手っ取り早く「上手い絵を描く方法」でしょ?
たとえば好きな萌え絵を模写すれば、その人がその絵を描くために苦労した時間よりもはるかに早く、上手い絵を描けちゃう。
これってすごいこと。でも、世の中の頭でっかちな人々はそれを、パクリだの著作権法がどうだのつっまんねー話でたたきつぶそうとする。
自信がつくなら、パクリだろうが模写だろうが何だろうが、そんなことは全然どうでもいいの。
要は、描いた絵が「上手だね!」って言われる経験が大事なんだよ。
これは、子どもの絵を考えてみると分かる。子どもの絵ってめちゃくちゃ下手だけど、親や先生は褒める。よくできたねー、じょうずだねーって。お世辞でも関係ない。子どもにはお世辞は理解できないから。
実は絵が上手い人って、このフィードバックを何度も何度も経験してる人だと思うんだ。そのおかげで、上手くなれた。
絵が好きになれたのは、自分の絵を褒められるという経験によって自信がついたから。自信がつけば、もっと描きたくなる。もっと褒めてもらいたくなる。結果、絵は上達する。
とにかく、絵が上手くなりたいと思ったら模写してピクシブに絵をアップロードするんだ!
うまい模写なら、必ずだれか10点つけてくれるはず。そんなこと、絵の下手で自信のない君に今まであったか?いつも0、または5点とか中途半端につけられてたんじゃないか?
とにかく模写しようよ!
模写ってね、難しいようで実はものすごく簡単。
脳の右側で描けって本があるっしょ。あんな分厚い本をすみずみまで読む必要なんて全然ないけど、エッセンスだけは理解しといたほうがいいよ。
エッセンスとは、「ものを良く見れば模写って結構簡単に出来るよ」ってこと。あ、模写じゃなくてデッサンなんだけどまぁどっちでもいいやそこらへんは。
よーーーーーーく見ること。目と言えば何かしら想像するけど、そういう記号化されたものじゃなくて、ちゃんと今見てる写真なり絵なりの目にあたる部分を観察すること。これが大事。
模写がどうしても嫌だってんなら、トレースでもいいかもしれないね。
でも、トレースはそんなに長くやるようなことじゃないと思う。レベルとしては、絵なんてもう全く全然描けないって人が、「俺でもこんな絵が描けるんだ!」って最初の自信を持つ段階に必要なものかな。
そのあとは模写のほうがいいと思うよ。模写だと、トレースよりもずっと「俺がこの絵を描いてるんだぞ」って感覚を得られるから。これで自信つけようぜ。
さぁ、絵が下手で絵を描くことが嫌いだけど絵は上手くなりたいと思ってるみんな、模写しよう。そして絵を描くことが好きになろう。
え、模写が上手く出来るようになって自信もついて絵を描くのが好きになれたら次はどうすればいいかって?そんなのは好きになった後に適当に考えればいいんだよ!
下手な理由を他人のせいにしたり、2ちゃんで脳板の黒いパワーに満ちてるスレとか(成功者を妬む系の)に入り浸るようになるとヤバイね。 まぁそうなると結局とにかく描けって結論...
絵が描きたいのに、ヘタなのでどうしよう、って悩んでる人へのアドバイスだけど、見方を変えると、これって例えば「カラオケで歌いたいけどヘタ」っていうのと一緒だと思った。 あ...
http://anond.hatelabo.jp/20100505062214 これ書いたの俺だけど、これ。 スンゲー長くなってるから簡単にすると、「絵が下手な人って絵が好きになれないってことが最初の問題としてあるから、ま...
絵が下手な人って絵が好きになれないってことが最初の問題としてあるから、まずは好きになってみよう。 それはすごくよくわかる。 俺がそんな感じ。 美術館で絵を見たりするのは...