2009-05-15

http://anond.hatelabo.jp/20090513144614

『知らない人に声を掛けられたので、ついていった』を読んで、寒気がするほど驚いた。

なぜなら、4年前に自身が経験したものと全く同じことが書かれていたからである。

何度も読み返せば読み返すほど、なかば忘れかけていた記憶が鮮明に蘇ってくる。

ほぼ同じ内容になると思うが、俺のときのことも増田記録しておくこととする。

当時大学回生だった俺は、地下鉄高井田駅(東大阪市)から国道を東へ歩いていた。

平日昼間のこの付近は自動車こそ多いが、逆に自転車歩行者はほとんど通らない。

少し歩いたところで、「自転車に乗っていた30~40代の見知らぬおっさんに声を掛けられた」。

いかんせん4年も前のことなので、何の場所を尋ねられたかはさすが失念してしまったが、

「どっか地図あるとこまで行きたい」ということを俺にも言われたのは確かである。

幸い目の前に、住宅地でよく見かける「町内案内板」があったので、それを案内した。

しかし、その男は「これではわからない」ようなことを言い、地図探しに付き合うよう言ってきた。

こうして、幼稚だった俺はまんまと男と一緒に歩かされる羽目になってしまったのである。

この時点で相手にするのをやめて放って行けばよかったのだが、それは今だから言えることである。

まあ、ここから先は、『知らない人に声を掛けられたので、ついていった』の展開と同じになる。

今思えば、警戒心を解くためか、物騒な社会の話題に続けて“自分は怪しくない人”の必死のアピール。

続いて大学に関する話題に移っていったのも同じ。「近大ゆーたらアタマええとこちゃうん」とかなんとか。

これも、ターゲットを褒め上げておいて心のスキを生じさせる“手口”だったんだろう。

交際に関する話題もあった。「彼女ではないんですがね。この後、その人と会う約束なんですよ」と答えた。

実際は、メールドタキャンされて暇でブラついていたので、この回答は嘘である。そんなことはどうでもいいか。

そうこう言っているうちに、おっさんの誘導でいつの間にか人通りはおろか車通りもないような道に入っていた。

駐車場だったろうか。その歩道自転車を停め、「休憩しよう」と言い、おもむろにブロックに腰をかけた。

俺も座るように促され、横に座った。その間もおっさんの話は続く。

近くにファミリーマート看板が見えていたので、この場所は西堤本通東大阪市)付近だったと思う。

ここまで書いておいて申し訳ないが、この後の展開も『知らない人に声を掛けられたので、ついていった』と全く同じ。

コピペを修正しているように見えるかもしれないが、同一手口に引っ掛かった経験談としてお許し願いたい。

目新しい新情報が出てくるわけでもないので、あらかじめお断りしておく。どうか期待されずにお読みください。

おっさんは、ズボンブランドについて尋ねてくる。

そのとき穿いていたのはユニクロジーンズ。俺は正直にそう答える。「これは、ユニクロですね。あのユニクロ

おっさんは、「ユニクロって。もっと格好にも気を遣わないと」と、いかにもわかったようなことを言っていたと思う。

「その好きな子にも好かれへんで」と話を持ってくる。

近大行くんやから、もっとエエ服くらい着てったらどうや?」と。

そんな質問されても、どう答えればいいかわからない。「ええ、まあ、そうかもしれませんね」。無難にかわす。

「ほな、財布はどんなん持っとるんや?」

親戚から何かの時に贈って頂いた財布をそのままありがたく使っていたので詳しく知らない。「どんなんと言われても…」

おっさんは、財布の材質やメーカーブランド重要性について説明し始める。

お金を呼び込む財布の話は、新聞折り込みチラシだけで十分である。わざわざ聞いているのは暇つぶしだからに過ぎない。

そもそも実用性重視の俺にとって、正直なところ材質なんて耐久性があれば合皮でもいいのである。メーカーも気にしない。

そういえば硬貨収納部の端が破れかけていたなぁなんて考えながら、おっさんの話を右の耳から左の耳へと通過させている。

そんなつまらん話がひと段落したことろで、おっさんは「まあ、いっぺんその財布 見してみいな」と言う。

この時点でもまだ違和感を感じていない俺は相当アホである。「あー、これがその財布なんですけど。」

ズボンのポケットから財布を取り出してオッサンに渡す俺は、もはやどうにも救いようもないカモそのものである。

一転して、次のおっさんの行動で俺はようやくおっさんを不審者として認識することになる。「ほな、この鍵。」

さっきまで乗ってきた自転車の鍵を唐突にも俺に預けてきたのである。「え、鍵って…、鍵をどうするんですか」

「いや、あんたの大事な財布を見ず知らずのオッサンが手にするんやから、この自転車のカギを渡しとるんや」と。

待て待てその理論はおかしい。意味不明。というか怪しさ満点である。何を言い出すんだこのおっさんは。

「もしも万が一にもワシが盗んで逃げたりしても、その自転車があったら追いかけられるやろ。そういうことや」

なんなんだよこのおっさんは。「そういう意味でしたら、この自転車の鍵はお預かりできないのでお返しします」。

おっさんはまだ何か言ってきていたが、これ以上貸す耳などない。むしろ今まで貸した耳も返してほしいほどである。

まだおっさんの手の中で開かれていない財布をひったくり、渡されたカギを丁重にお返しした上でその場を後にした。

10歩ほど歩いて振り返ると、おっさんはすでに自転車で逃げ去っていた。

以上が事の顛末である。念のため財布の中身を確認したが、被害はなかった。(警察にも届け出なかった。)

おっさんの細かな言動内容等は『知らない人に声を掛けられたので、ついていった』の内容そのものである。

あちらの「おっさん」とこちらの「おっさん」は間違いなく同一人物であろう。犯行手口があまりにも酷似してある。

あちらでは「関西地方」としか書かれていないが、これが河内地区であればますます同一性が高まることとなろう。

さて、同じことをわざわざ書いて何が言いたいのか。

 1.20歳前後の(比較的真面目なタイプの)大学生はこの手口にひっかかりやすいであろうことへの警告。

 2.『知らない人に声を掛けられたので、ついていった』はつまらないネタの一種ではなく事実であることの証明。

 3.(おそらく)この数年の間にも複数の実害を受けた被害者がいるであろうということへの警鐘

 4.冒頭に書いた通り、単にびっくりしていてもたってもいられなかった衝動を抑えるための単なる書きなぐり。


書き終えた文章を読み返すと、自身の文章能力の低さが幾所に露呈している上、長文乱文になり誠に申し訳ない。

改めて、注意を喚起しておきたい。陳腐な言いようだが「まさか私が」という「まさか」が起こるのだ。

『知らない人に声を掛けられたので、ついていった』の書き手に被害がなかったことは喜ばしいことこの上ない。

俺も今回の手口ではもうひっかからないが、さらに巧妙な手口の場合「見抜ける」と断言できないのがつらいところである。








この後、俺が日本銀行券の持ち歩きをやめ、プラスチック依存症になって陸マイラーの道を歩むことになる話は、また別の機会に綴ろう。

記事への反応 -
  • 関西在住のFラン大学生。さっき起きたことを話すぜ! 昼で授業が終わり、家へ帰ろうと駅へ向かう大学生が多数いる通りで、自転車に乗っていた30~40代の見知らぬおっさんに声を掛...

    • 『知らない人に声を掛けられたので、ついていった』を読んで、寒気がするほど驚いた。 なぜなら、4年前に自身が経験したものと全く同じことが書かれていたからである。 何度も読...

      • 謙遜だとしたらともかくとして、流れるように読めたので下手ではないと思うよ

      • 『知らない人に声を掛けられたので、ついていった』(http://anond.hatelabo.jp/20090513144614) を書いた人です。 トラックバックの http://anond.hatelabo.jp/20090515024628 を読んでビックリ。 おれが...

      • 今日(2009-06-12)昼の12時30分の話だ。 http://anond.hatelabo.jp/20090513144614とhttp://anond.hatelabo.jp/20090515024628と同じことが いや、ちがう。もっと一歩先の展開が私の身に起こった。 私は大学に向...

    • どこの大学行ってるにせよ、基本的な立ち回りは覚えておくべき。 「怪しいおっさんに声をかけられた」 このケースに対する解答は「なんか適当な理由をつけてすばやく逃げる」これ一...

    • 単に革財布を売りつけようとしてただけじゃないの?

    • 英会話のキャッチの外人さんに声をかけられて「英会話はいらないけど、ナンパなら付き合うよ」とご飯おごってもらって帰ってきたことがあります。

    • 文章に書かれたことだけで判断するが、 おっさんは増田の前で、自分が乗ってきた自転車にカギをかけた形跡がない。 (かけたとしたら、前輪とか後輪とか、チェーンキーとか、 それ...

    • 俺は札幌駅で、知らないおっさんに声をかけられて、 カップ麺おごってもらって、 なぜか部屋に通されて、ピアノを披露してもらったな。 ピアノ教室の先生らしいけど、 「知らない人...

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