2009-03-01

じゃあ結婚すれば? 翌年

気づいてみればもう1年だ。

残念ながらこれといって大きな変化はなく、目まぐるしく過ぎた1年とも言い難い。

現在も、私と件のバカ男子は同居していない。式は行わず、互いの両親にも1度挨拶しに行っただけである。

私は前と同じ職場仕事を続けており、便宜上家計や姓も別々のままだ。バカも同様。

「紙の上だけの結婚」と思われて当然の生活だが、どうやら強制婚では珍しくない形態のようだ。

私もバカも、それまでの生活を変えることを望まなかった。

それに内心、「強制結婚による夫婦」が些か情けないとされる風潮を気にしていた。

メディアがいくら幸福的に報道しても、それだけが現実じゃないと皆わかっている。

例の婚姻届の色にちなんで「ああ、あの人たちアカ夫婦なんだ」、なんて揶揄されることもある。

アカなんていろいろ誤解されそうなので正直勘弁して欲しい。

最初の電話で、バカの第一声は「あー・・・・どうしようね。」だった。なんとも歯切れの悪い応対である。

久しぶり元気だった?俺も電話しようと思ってたんだ、ぐらい言えないのかお前は。

だが私たちの強制結婚について関知していることだけはわかった。

その時は簡単な近況報告の他に重要事項のみ確認し、電話を切った。

特に結婚の取消はしないこと、現在バカにも交際相手はいないこと、

そして今までに「じゃあ結婚すれば?」とはっきり言われた記憶はないということ。

住んでいる場所もだいぶ離れているし、出張等でこちらに来たこともないそうだ。ますます訳がわからない。

また現在ヤツは電気関係技術職に就いているらしく、本人が直接国策に結びつくことはまずないだろう。

だとするとキーワード「じゃあ結婚すれば?」は単なる偶然だったのだろうか?

結局最初の電話で最大の疑問を解明することはできなかった。

それから今日まで多少のイベントはあったが割愛する。

電話での一件もありバカにはさして期待していなかったのだが、

唯一、普通結婚みたいにプロポーズをしてくれたことが私の中ではとても大きな収穫だった。

強制結婚は本人同士の明確な意思が介在しないため、普通結婚とは別の不安がもたらされるとこの時知った。

そりゃ普通結婚だって不安がないわけがないけれど。

考えてみればまだ1年しか経っていない。将来的に私が仕事を辞めてバカと同居する可能性はある。

とりあえず結婚事実で両親を安心させることはできたと思うし(強制婚は相手の安全性だけは折り紙つきなのだ)、

私自身も心に余裕ができたことで、以前よりも意欲的に仕事に取り組めている気がする。

子供家族のことも含め、あれこれ考えるのはもう少し先でいいだろう。それが今の時点での気持ちだ。

http://anond.hatelabo.jp/20090222192849

記事への反応 -
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