2009-02-25

じゃあ結婚すれば? 翌週

あれから1週間が経過した。いまだに「夫」から私への連絡は無いままだ。

私はだんだん痺れを切らしてきた。宙ぶらりんな状態のまま待ち続けるのは性に合わない。

さっさとバカ夫(昇格)に電話して、この結婚に同意するかだけでも問いただしたい衝動に駆られる。

(当人の意思に関わらず成婚はするわけだが)

正直私自身は結婚などどうだっていい。それどころか別に結婚しても構わないくらいに捉えている。

どうせ私のことだ、最近よく耳にする「婚活」とやらにもガツガツできないのだろう。

私に交際相手はいないが、出会いさえあれば普通結婚をしたいと以前から思っていた。

女の安月給、人並みに将来だって心配だ。一人で老後を生き抜くだけのキャリア精神力もない。

ならここまでお膳立てされて、極端に拒否する理由の無い男と番いになるのも悪くなかろう。

その他大勢と同様、決まったものは仕方ないから若干癪だが従うか、といった感覚だ。

純粋な告白なら抵抗もあるが、私の意思が介在しない理不尽制度だから電話だってできる。

いっそ疑問はすべて聞いてしまえばいい。さっさと結論を出してしまおう。

バカ男子に強制結婚の知識がどれほどあるかも確認しておきたい。

どこかでキーワードを言われた心当たりはあるのか?誰に、いつ言われたのか?

あんたは今現在、どこで何の仕事をして暮らしているのか?

交際相手あるいはそうなりたい相手はいるのか?

ふたりの結婚以外にも聞きたいことはある。

最大の謎、あんたのかつての口癖「じゃあ結婚すれば?」と強制結婚制度に関連はあるのか?と。

恐ろしいことに、もうバカと結婚した気になりつつある自分がいる。

私のように消極的で自ら機会を切り開けない者にとって、この制度希望ではないかとさえ思えてきた。

普遍的な夫婦の暮らしとはいかなくとも、支え合える相手を与えられるのなら。

いずれ年月がそれなりの感情だって芽生えさせることも、と期待せずにはいられない。

赤い婚姻届と同封されてあったバカへの連絡先を改めて確認する。

捺印のあった私たちが育った町ではなく、あまり聞き覚えのない都市が記載されていた。

携帯を開き、ゆっくりボタンを押していく。「妻」からの最初の電話に「夫」がなにを言うのか考えながら。

http://anond.hatelabo.jp/20090222192849

記事への反応 -
  • 小学生の時、クラスにいたバカな男子の口癖が「じゃあ結婚すれば?」だった。 とにかくどんな時でも、ふざけて会話の脈絡なくそう返してきた。 そんなことを十数年ぶりに思い出し、...

    • 同じ話を聞いていた自分も、まさかそんなことがあるはずは、と思っていた。 最近はマスコミも信じられないし、まあ都市伝説の類かなと。昨日までは。 心当たりなどほとんどない。...

    • あれから1日。目覚めは良くも悪くもない。 いつも一番早く出勤する同僚によれば、彼女が来たときには既に私の机に置いてあったという。 彼女は当然のように「強制結婚制度」のこ...

    • 気づいてみればもう1年だ。 残念ながらこれといって大きな変化はなく、目まぐるしく過ぎた1年とも言い難い。 現在も、私と件のバカ男子は同居していない。式は行わず、互いの両親...

    • 私たちの人生が変えられた日から、もうすぐ30年もの月日が経とうとしている。 私とバカ男子は入籍して5年ほど、それぞれ別々の生活を送り、独り身のような身軽さを楽しんだ。 その...

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