小学生の時、クラスにいたバカな男子の口癖が「じゃあ結婚すれば?」だった。
とにかくどんな時でも、ふざけて会話の脈絡なくそう返してきた。
そんなことを十数年ぶりに思い出し、そんなんで結婚できたら苦労しねーよと心の中でつっこみつつ
あのバカ男子は今どうしてるだろう、などと考えながら眠りについた。
翌朝,起きてヤカンを火にかけながらテレビの電源を入れる。
チャンネルを回し適当にニュースを流し見ていたが、あるトピックに私は目を疑った。
◆ 前日の強制結婚は67組 - よろこびの声拡がる
なんと、「じゃあ結婚すれば?」という言葉を第三者に掛けられた二人は、
強制的に結婚させられる世の中になっていたのである。
エイプリルフールは当分先だし、試しに自分の右の頬を強めにつねってみたが、普通に痛かった。
それよりも電車の時間が迫っている。詳しくは会社で同僚に聞いてみよう。
そう思い直して現実に立ち返り、支度をして家を出た。
自宅アパートの階段を降り、なるべくいつも通り、駅へ向かう道を急ぐ。
外の景色も、昨日までとさほど変わった様子はない。
近所のおばちゃんがコロコロと丸いコーギーを散歩させていたり、巾着を振り回しながら歩く小学生のいる風景だ。
それとも単に、朝に弱い自分が寝ぼけていただけだったのかもしれない。普通に考えればそうだ。そうに違いない。
しかし。どうにかいつもの電車に間に合い、いつもより気持ち早めに職場に着くことができたのに。
自分の机の上には見覚えの無い、一枚の、薄くて真っ赤な紙が置いてあった。
「妻になる人」の欄には、私の氏名が記入されている。当然記入した覚えは無い。
http://anond.hatelabo.jp/20090223184753
http://anond.hatelabo.jp/20090225034944
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割と肯定的なコメントを残しててウケたw
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