『成瀬は天下を取りに行く』
本屋大賞に決まった後に世の中の流れに乗って読んだ。面白かった。でも、「こういうのが本屋大賞をとるんだ、ふーん、あそう」みたいな感じで斜に構えてしまっていた。成瀬のことは好きだし、話も面白かったし、もっと読みたいのに、2冊目を買おうと思えなかった。
成瀬の魅力は、「クラスで少し浮いてる変なヤツだけど、本当はすごく面白い子」ということを自分だけが知っている、自分は人より先に成瀬の魅力に気づいている、というタイプの魅力だと思う。言語化するのが難しいけれど。
でも今回、私は成瀬のことを人から聞いて知った。本屋大賞に決まったあとに、みんなが成瀬のことを好きだというから読んでみたのだ。もっとはやく成瀬を見つけたかった。1番に見つけて、他の人が成瀬を面白がる様を見ながら、優越感に浸りたかった。島崎になりたかったのだ。島崎は優越感には浸ってないかもしれないけど。