姨捨山の伝承は、年老いて働けなくなった者は役に立たないから山に捨てよという殿様が老人の知恵と機転により改心する寓話である。
しかし、老人のすばらしい知恵のおかげで国を救われたことを知った殿様が棄老のお触れを取り下げるというストーリーは、結局、当初のメリトクラシーの域を出ていない。
それは、条件付きの愛である。依然として、植松思想一直線の落とし穴が隠されているのだ。
「これほどの知恵者がいる国を攻めるのは危険だ」と敵国が思うのではなく、「たくさんの老人を養える豊かな国を攻めるのは危険だ」と敵国が思う寓話にすべきだった。
このように、一見すると模範的な話に潜む危機・バグを察知する知性こそ、21世紀の子供たちに求められる能力といえよう。
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