2024-02-17

戦国時代、斉の威王が魏の恵王と共に城外で狩をしたときのこと。恵王が威王に向かって尋ねました。

あなたの国には何か宝がありますか」

「いいえ、何もありません」

すると恵王は「私の国は小さい国ではありますが、それでも直径一寸ばかりの宝玉で、車の前後12台の距離を明るくできるもの10個あります」と言いました。

これに対して威王は

「私の宝はあなたのとは違っております。私の臣下に檀子という者がおりますが、この檀子に南城の地を守らせたところ、南隣りの楚は敬遠して、わが泗水のほとりに攻め入ろうとしません。そのうえ、12諸侯来朝するようになったのです。

また、肦子という者がおりますが、これに高唐の地を守らせたところ、西隣りの趙は黄河のわが漁場を荒らさなくなりました。

また、黔夫という者がおりますが、この黔夫に徐州を守らせたところ、北隣りの燕はわが北門へ来て、西隣りの趙はわが西門へ来て、わが国から征伐されないように祈るようになりました。

さらにまた、種首という者がおりますが、これに盗賊の取り締まりをさせたところ、道に落し物があっても拾う者がいなくなりました。

これら4人の臣下は、まさに千里距離を照らすでありましょう。わずか車の前後12台を照らすどころではありません」

と言ったところ、恵王は恥ずかしくて赤面してしまいました。

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