好きな絵師さんがいた。
二次創作で、とても素敵なイラストや漫画を描かれる方。そのジャンルに触れて、SNSでお見かけしてから、ずっと好きな絵師さん。
その方を知って何年か後、私も描き始めた。好きな絵師さんとも繋がれた。リプを送り合うような親しい仲では無かったけれど、私はとても嬉しかった。
でも、好きな絵師さんは日に日に呟く内容が暗くなっていった。辛そうにされているのが辛くて、絵の感想やそれらが好きだということを伝えたり、絵師さんが好きなCPを描いたりした。
理由は多分、分かっている。呟かれていた内容から、大体は推測できたから。
絵師さんはとても丁寧で洗練された絵を描かれるから。ジャンル熱でらくがき程度を高頻度で上げていた私と、目に見える評価の数字が変わらなくなったから、だと思う。
好きな絵師さんは、私を嫌いだった。
好きな絵師さんは、とても優しい方だから。きっと、私の自分勝手に伝えた「好き」は、とても重荷になってしまっただろう。見たくない奴から与えられる好意に応えられないことに、私に対しても、自分に対しても、辛い思いをされただろう。
本当は、違うのかもしれない。実際はどうだったかなんて、もう、確認することは出来ない。
今、どうされているのかも、追うことは出来ない。
それでも。
私は、好きな絵師さんが好きだ。
どうか、私を忘れて、好きな物を好きだと言える日々を送っていて欲しい。私が好きだと思った、貴方の心のまま、変わらず筆をとっていて欲しい。
こんなことを考えているなんて知ったら、また辛い思いをされてしまうだろうか。もう、貴方からも、私からも、見えないけれど。
私には、好きな絵師さんがいる。