誰かと一緒に暮らすこと、自分をあるていど許容してくれる誰かと、一日中一緒にいることは、自分を知るうえでも価値がある。
たとえば、自分が明け方になるとイビキをかきやすいということ。他の人よりも味の変化に敏感で、違いに気付きやすいこと。そして、けっこう短気で、行列が苦手で、作り笑顔をするとすぐにばれてしまうこと。独りでは気付かない、親や兄弟もわざわざ指摘しなかったことを、暮らしの中で理解していくことができる。
自分を知って何になるのか?
それは輪郭を知ること、自分と他人、その延長線上にある、世界との距離感を測るということ。子どもの頃から漠然と見ていた、巨大な絵の中に、自分が描かれていることを発見し、その在り方がはっきりと認識できていくということ。
たぶん、おそらく。