彼は某有名周辺機器メーカーで新卒依頼、ずっとUSBメモリの企画と開発を担当してきた。
性格はまじめで、奥さんと2人の子供と両親を養っている。
そんな彼が突然、USBメモリ担当から外されたのだ。
「尼崎の事件を知っているね」
もちろん知っている。佐渡山にとってこの事件は他人事ではなかった。
「弊社はUSBメモリ事業から撤退する。キミにはクラウド事業の主査として頑張ってもらいたい」
寝耳に水である。
これまで物理記憶媒体しか担当してこなかった人間が、クラウドなどという仕事が務まるのだろうか。
~後編につづく~
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