ヴァレール ああどうしたのです、うるわしのエリーズよ、あなたは(この)わたしと、結婚する約束をしてくださったばかりだというのに、なぜそんな悲しそうな顔をなさるのです。ため息ばかりついていらっしゃる。/あなたは、後悔していらっしゃるのですか。
エリーズ いいえ、ヴァレール。わたしが少しも後悔していませんわ。ただ、これから先のことが心配なのです。
ヴァレール エリーズ。あなたはわたしに全てを委ねてくださったというのに、何がそんなに心配なのでしょう。あなたへの愛情は、永遠に続くのです。
エリーズ 殿方は皆、そのようにおっしゃるのです。ですが、実際になさることと言えば、まったく違うのですもの。
ヴァレール 男の本心が分からないとおっしゃるのでしたら、せめてわたしのすることを見てから判断してください。どうか、わたしに時間をください。/恋の証拠ならいくらでもお目にかけましょう。