「そ、それは」
少年は、私が手で弄んでいるレイピアを見て後ずさる。
目ざとい子だ。
柄の紋章に気づいたのだろう
そうこれは、数多の恐るべき海賊ハンターたちの手を躱しつづけ、冷酷無比で知られた女海賊サダ=アベの紋章。
すなわちこの細身の刃は、彼女がその手で何十人もの男の「命」を切り裂いた、あの魔剣である。
「ひっ」
私の視線に、少年は無意識にか、両手で股間を抑えた。
少年にゆっくりと近づきながら、私は笑顔を浮かべる。
「怖がることはない」
後ずさる少年が、ベッドに引っ掛かり、倒れこむ。
「私は彼女とは違う。そんなもったいない真似はしないさ」
数多の血を吸った類稀なレイピアが、シャツのボタンをひとつ、ひとつ、ゆっくりと斬り飛ばしていく。
「あ、ああ」
少年は絶望と期待のまなざしで
Permalink | 記事への反応(1) | 10:29
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35点くらいの文章やね