2021-05-16

短編

どうしようもない。

どうしようもない感情をただ持て余してしまった。

昨日から友人へメッセージを返していない。

返せないわけではないけれども。

今日やりたかたこと何一つできていない。

自慰にふけって、ゲームして。

生産性も何もない。

ただどうしようもなくなってしまった。

何かがあったというわけではない。

ただただ苦しい気がして、ただただ忘れたくて。

どんな感情を持っていたかも忘れてしまった。

自室にいたら得体の知れないどうしようもなさがただどうしようもなく膨れ上がってしまう。

まらイヤフォンを付けて外へ出た。

夜の寂れた道を歩いた。

今や日常となってしまったマスクを外して歩いた。

座って文章を書く。

何の意味もない。

心の中の「あの人」を何年も何年も追っている。

夢に何度も出てきては私を苦しめる。

いや、勝手に苦しくなっているだけだけれど。

こうやって夜に徘徊したくなるのは心のどこかで「あの人」に会いたいと願っているからかもしれない。

ああ、やだな。

どうしようもないまま帰路に着いた。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん