ガキの頃、近所にあった半・廃屋みたいなところをゲロハウスと呼んでいた
行くと、というか、裏から回って勝手口(?)を覗き込むと、猛烈な嘔吐感に襲われる
匂いがするって感じじゃなく、何かが見えるわけでもなかった ただ薄暗い…というよりはもう少し暗い、荒れた家を除いた瞬間に、理由もなく強い吐き気がやってくる
ゲロハウスの話は先輩の代から伝え聞いた どのくらい前から伝わってたのかは、今となってはわからない でもそんなに朽ち果てた感じの家でもなかったから、メチャクチャ古い伝統でもなかっただろうな
俺たちにとってゲロハウスは罰ゲームスポット兼ちょっとした度胸試しの場だった
ゲロハウスに連れて行って無理矢理吐かせる「ゲロハウスの刑」なんてものがあったし、ときどき「オレぜってえ吐かねえ!」と言い出してゲロハウスに挑み、散っていくバカもいた
思い出ではあるんだけど、考えてみると普通に不気味で怖いんだよな
なんだったんだゲロハウス なんで廃屋覗いたら吐き気に襲われるんだ? じつは死臭がしてたっていうのにしては、覗かない限り大丈夫だった
アレなんだったんだマジで