成人式に行かなかった。
田舎の鄙びた土地だったので、県外のそこそこの大学に行ったのはごく一握り。自分はその選ばれし一握りの人間なのだという謎の自負心があった。貧乏家庭だったので振袖代が勿体無いと思った。見知ったしみったれた公民館的なところで市長のジジイの話聞くために綺麗なおべべきて集合するのもなんか滑稽な気がした。
でも本当は、インキャで小中の友達が少なかったので、成人式の場でボッチになるのが怖かったのが一番の理由だったのだけど。
下宿先の市からも成人式の招待ハガキ来たけど、なんとなく、その市出身の人たちに遠慮して行かなかった。
でも今にして思えば、とりあえず行っておけば良かったかもしれない。しみったれた公民館に行くのも、小中の同級生と会うのも、あれが人生最後だった可能性が高いし。まあ行かなくてもよかったけど。