多くの動物の場合、子供へのコストは雌の方が大きい。例えば幼少期に子供が死んだ場合、雌は妊娠出産のコストがかかっているが、雄にはかかっていない。つまり、条件が悪くなると雄は子供を捨てて他の雌に産ませる方が有利なのである。
また、雄は雌の子供が自分の子供であるかどうかがわからない。このことも子供へのケアに雄がコストをかけない一因でもある。
したがって、人間のような次世代への世代交代にコストがかかる動物では、乱婚型で生育条件が悪くなると、雄が子供と雌を捨てる戦略が全体としては有利になる。
雌からしたらたまったものではないので、鞭と飴を与える必要がある。そのひとつが一夫一婦型婚姻制度であり、またインセンティブが夫の苗字を子供につけることにあると思う。