真夜中に、役所向けの書類に「今どき……」とイライラしながら記入して判子を押していたら、切手を封筒に貼るためのノリがないことに気づいた。書類を書くことも減ったご時世だがボールペンくらいはいくらでもあるし、いい大人だからシャチハタから実印まで判子も探せば出てくる。だがノリは出てこないのだ。だって使わないんだもの。
このコロナ禍のご時世、切手を舐めるのも気が引ける。仕方ないから部屋を出て水道……と思ったが、目の前にはウイスキーを飲んでいたロックグラスがあった。ロックグラスの水滴で切手を貼るなんてなかなかハードボイルド小説みたいじゃないか。なんて思いながら切手をロックグラスにつけると、なんと剥がれない。ぴったり張り付いた。ハードボイルドから一転、アホ面で四苦八苦しながらロックグラスから切手を剥がし封筒に貼り付けた。
最近はのりを使う機会も少ないしコストを度外視してテープのりを買うのがおすすめです