活字の作り方の一つ。原形となる種字をツゲ材に彫る。これが父型、つまり文字が凸で浮き出た型となる。そこに、電解で銅を付着させせ、母型、つまりへこんだ型を作る。この母型に金属を流し込んで、活字を量産する。やわらかな木材を父型に使うため、画数の多い漢字の活字を作るのに適している。
逆に、画数の少なくて済む欧文は、母型となる材料に父型を直接打ち付ける。なんとも荒っぽい。よって、父型には相応の強度が求められる(古い洋書の活字の縁がでこぼこしているのはそのせいか?)。
本項目とはあまり関係ないが、東京は飯田橋の印刷博物館にはライノタイプという、自動で活字を組む機会の動画と実物が展示されている。溶けた金属を使ってページ丸ごとの版を作ってしまう手際に見とれてしまうと思う。あそこは自分で活字を組む体験ができてとても楽しいので、新型コロナウイルスが沈静化したら、ぜひまた行きたい。