2019-08-05

虎にすらなれない

中学の頃、俺はエリートだった。

定期テストはほぼ満点を連発し、模試学内で1番なんてことはザラだった。

努力すれば1番になれると思っていたし努力しない奴が堕ちていくだけだと感じていた。

高校に入り、それが間違いであると悟った。

俺より賢い奴らがゴロゴロいた。

どれだけ勉強しても勝てない奴らが一定数いることを知った。

がむしゃらに努力して負けることがださいと感じるようになった。

中途半端努力に留めることで中途半端ポジションに浸り、中途半端からこんなものだと逃げ道を作った。

果たして俺は中途半端努力しかしていなかったのか。

全力でやった結果を受け入れることが怖く、保身に走っただけではないのか。

俺は虎にもなれなかった。

自尊心羞恥心怠惰ゆえに、全てを捨てて虎になった李徴のほうがまだマシではないのか。

現状に満足できず、かといって現状を変えようとも捨てようともしない俺は虎にすらなれないのである

  • でもまぁ、猫くらいには成れたんだろ? それで十分じゃないか。

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