定期テストはほぼ満点を連発し、模試も学内で1番なんてことはザラだった。
努力すれば1番になれると思っていたし努力しない奴が堕ちていくだけだと感じていた。
俺より賢い奴らがゴロゴロいた。
がむしゃらに努力して負けることがださいと感じるようになった。
中途半端な努力に留めることで中途半端なポジションに浸り、中途半端だからこんなものだと逃げ道を作った。
全力でやった結果を受け入れることが怖く、保身に走っただけではないのか。
俺は虎にもなれなかった。
自尊心と羞恥心、怠惰ゆえに、全てを捨てて虎になった李徴のほうがまだマシではないのか。
現状に満足できず、かといって現状を変えようとも捨てようともしない俺は虎にすらなれないのである。
でもまぁ、猫くらいには成れたんだろ? それで十分じゃないか。