知らせを受け取ったのは翌朝。何かをじっと圧し殺したような声色の母からだった。母と叔父は本当に仲が良く、甘え甘えられの関係で、それぞれが結婚したあとも互いの家族に付き合いを広げてく、一種の起点となっていた。
私もその関係に組み込まれた一人であり、小さい頃から叔父に可愛がって貰っていた。共に飛行機の玩具を飛ばし、凧を上げ、料理を習い、大学に落ちた時は慰めて貰った。うっかり叔父の車の運転に酔って後部座席を酷く汚してしまったりなどしたが、それでも叔父は敬愛する姉の息子を大切にしてくれていた。
そんな、恩ばかり与えてさっさと逝ってしまった叔父に、私はなにを返せたのだろうかと自問する。答えは出ない。ただ、幼子を残したバカ叔父の代わりに運動会で走ろうと思う。大きな声で応援しよう。教わった料理でお弁当も作ろうと思う。