夫は料理が得意で、番組を見てはチラシの裏にメモしてバインダーに挟み、おいしい料理を作ってくれた。近くの息子たちに分けるのも楽しみで、詳しい作り方は「企業秘密」と笑っていた。
国語的に言えば、
「料理が得意」「料理番組をメモする」「息子たちに分ける」といった記述は
すべて「夫がいかに料理が好きだったか」を説明する記述であって、
「バインダーがいかに大切なものだったか」という記述ではないぞ。
無論、そこから「夫にとってメモを挟んだバインダーは大切だったろうな」と類推することは容易だが、
「類推できる」は「バインダーの大切さを切々と語った」とイコールではない。
この冒頭の記述はあくまで「妻視点で夫は料理が大好きだったと語っている」にすぎず、