2018-11-24

中学のころからの友人がいる。

その人は勉強が得意な方ではなく、明るいバカという印象を持たれているような人間だった。

自分で言うのはおこがましいが、当時の私は勉強ができる方だった。中学生の世界なんて井の中の蛙だ。

から、当時の私は、その人のことが好きで仲良くしていたが、同時に見下している節もあった。

友人は、勉強は得意でなかったが、好きな物事に対しての情熱はすごかった、ように思う。

私も同じものが好きで、ゆえに友人と仲良くなったが、今思うと、その情熱や傾けるベクトルは、段違いだった。

正直に言おう、私も友人も、絵を描くことが好きだった。

友人は、絵を描くことを楽しんでいた。また、絵を描くために必要ものもたくさん持っていたし、集めていた。

私にはそれがとても羨ましかった。私は、画材は高いから、とか、興味が無いから、とか、いろいろ言い訳をして、持つことをしなかった。

その時点で私たちの差は天と地ほどに離れていた。

友人はみるみるうちに上達していった。当然のことだ。

今、友人は、自分の好きなことを活かして働き、しっかりと自立している。

私は今でもこれでいいのかと悩んでばかりだ。

今もたまに友人の描く絵を見せてもらうことがある。

中学生のころなど比にならないくらい上手くて、輝く絵を描いている。

私は友人の描く絵が好きだ。だけど、同時に、その絵の粗探しをしてしまう。

友人が羨ましいから、眩しいから、私が友人に勝っている部分が少しでもないかと、探してしまう。

今より若いころは、自分と友人を比べて、泣くくらい悩んだこともあった。

今は、大人になったし、昔よりは劣等感も少ない。粗探しをすることも少なくなった。



いつか、「お前に憧れていた、嫉妬するくらいには。」と笑って言えたら、その時ようやく、追いつくのだと思う。

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