母の一番上の兄が生活保護を受けることになって、母の元に「扶養できませんか?」という問い合わせ手紙が届いたことがある。
母は半笑いになりながら随分と長くその手紙を見つめていた。一番困った時の顔だ。
この叔父とは、私は1度しか会ったことがない。その1度だってちゃんと紹介されたわけではなくて、いとこの家(母の二番目の兄の家)に行ったらなぜか居たよくわからないおじさんだった。
この叔父はチンピラみたいな生活をしていた随分と困った人だったらしく、母は働いたお金を何度もこの叔父に巻き上げられて、最終的には着の身着のままこの叔父の元を逃げ出したと言っていた。
この手紙への返事、母がなんと書いたのかは知らない。うちにも余裕があるわけじゃないのでお断りの内容であることは間違い無いのだけれど。
でも、こうぼやいていた。
「どこまで書いたらいいのか悩むわ。全部なんてとても書けないし」
たぶん、嫌なことを一通り思い出したのだろう。
こういう手紙が必要なのだということはわかるが、逃げたはずのものからこんな形で追い討ちがやってくることが辛いことは想像に難く無い。
本当に人生はままならない。
ウチにも来た 定期的に来るよ その都度「無理です」って返してる