さっき表に出てたら、通りかかった近所の婆さんと立ち話になって。
ま、当たり障りのない話をしてたんだけど、その婆さんが「もう80だからいつ死んでもおかしくないね」みたいなことを言うので、「いや、いまは百歳ぐらいふつうですよ」なんて話したら。
「私の家は、代々長生きなんだよ。
母親も父親も90代後半まで生きたし、そのお祖母さんは百まで生きた。
百歳になったとき、白い帷子を自分で縫って、きちんと枕元に畳んで、
両手を合わせて床に入り、そのまま何も食べずに死んだ。
みたいなことを言った。
どっかの記事で、医療関係者が高齢者が自分から食を絶ってしまう話を書いていた。人工栄養で生かすかどうかみたいな話だったと思う。
そういう消極的自殺がいいこととは思わない。むかし、高齢者の負担を減らすために姥捨てとか、あるいはこの話みたいに百歳を節目に死を選ぶとか、そういうことがあったってのも、えらい暗い話だと思う。
けれど、自分の中にも、自分の死期は自分で決めたいという気持ちは、どこかある。
なんか、衝撃的だった。