2018-01-28

手のかからない子供だった

物心ついた頃から、母にそう言われていて、誇らしかった。

ものを買ってほしくて駄々をこねる他所の子供を見て「あなたは、ああじゃないわね」と言われるたび、嬉しかった。

そういう子供たちを、完全に見下した目で見ていた。

でも、どんどん大人になるにつれ、そういう子供のほうが可愛がられていたような気がして。

ワーワー我儘を言ったあとは、必ず和解して母に抱きしめられていた妹の姿なども何度も見て。

すっかり私は人への甘え方がわからなくなっていて。

いまは、理不尽さを感じている。

子供ときだって、私は母に我儘を言いたい気持ちときもあった。

でも全部押さえつけていた。もっと我儘な妹のせいで母はいつも大変だったから。

私が妹をひっぱたいたりしたら、母はもっと困ってしまうから

でも。私はもっと、我儘な子供でもよかったのだろうか。

いまは、外出先で駄々をこねたり、金切り声を上げる子供を見るたび、モヤモヤした気持ちで胃の下あたりがぐっと苦しくなる。

決してそうはなれなかった、我儘な子供すべてが憎い。

そんなことを考えてしま自分も、赦せないけれど。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん