ものを買ってほしくて駄々をこねる他所の子供を見て「あなたは、ああじゃないわね」と言われるたび、嬉しかった。
そういう子供たちを、完全に見下した目で見ていた。
でも、どんどん大人になるにつれ、そういう子供のほうが可愛がられていたような気がして。
ワーワー我儘を言ったあとは、必ず和解して母に抱きしめられていた妹の姿なども何度も見て。
すっかり私は人への甘え方がわからなくなっていて。
いまは、理不尽さを感じている。
子供のときだって、私は母に我儘を言いたい気持ちのときもあった。
でも全部押さえつけていた。もっと我儘な妹のせいで母はいつも大変だったから。
いまは、外出先で駄々をこねたり、金切り声を上げる子供を見るたび、モヤモヤした気持ちで胃の下あたりがぐっと苦しくなる。
決してそうはなれなかった、我儘な子供すべてが憎い。
よし、我儘言っていいぞ! お母さんが抱きしめてあげる。
わかる