「痛い? 好いとうけん噛んどっとよ……」
もう現代のアダルトビデオは俺が知っているアダルトビデオではなかった。
もちろん大半の作品(とAV女優)は相変わらず学芸会よりひどい芝居なのだけれど、少なくとも一部の女優はちょっとびっくりするような水準の演技力で勝負していて、どのくらいかというと「AVを観ていて演技に引き込まれる」というレベル。
本気で芝居ができる(観ていて演技であることを忘れさせる)女優と、従来のAVとは比較にならないほど没入度が高い「VR」とが組み合わさると、すさまじい作品ができるのだな。これをほかの凡百のAVと一緒くたにするのは申し訳ないと感じるほどのUXが得られる。そこには文学性すら感じる。もちろん抜ける。
ここ何年もAVなんか観ていないという人は、機会があったらぜひ観てみてほしい。当たりを引いたらきっと驚くと思う。パッケージもタイトルもどこにでもあるアホっぽい普通のAVなんだけど、その中に突然変異的におかしなクオリティのやつが混じってるぞ。VRがおすすめ。
〽カリッと音が するほど小指を噛んで 痛いでしょ 痛いでしょ 忘れないでしょう