祖母の認知症は、薬を定時に飲めなくなるまで進行してから発覚した。今はもう、緩やかに悪化していく認知症を指をくわえて見ているしかない。
なぜ発覚が遅れたかと言えば、祖母が元々ADHDに片足を突っ込んでいたからである。片付けられないのは元からだし、何もかも大雑把、時間感覚も多数派とは違う。それは認知症の症状と地続きなのだった。「認知症 ADHD」と検索すれば、その見分け方ばかりがヒットする。
認知症は多数派だけでなく、発達にも、誰の元にも降りかかる可能性がある。若い世代には発達障害の認知度が上がっているし、診断率も高くなっている。診断済みでなくても、自覚があればマシだろう。
問題は、診断名が無く、自覚すら無い発達障害・そのグレーゾーンの認知症をどう網に引っかけるか?ということである。私にはパッと思い付かない。今後数十年、発達障害が認知されてきた世代が認知症世代になるまでは、この問題は隠れた悩みの種として存在し続けるように思う。