今まで人生において自分はどちらかというと被害者の立場になることが多かったと思っていたんだけど、ふとふいに高校の頃に友達にひどいことを言ってしまったこを思い出した。思い出した瞬間、ものすごく申し訳なく思ったし謝りたいと思ったけれど、恐ろしいことにそのことを思い出したのは本当に「ふと」で、それまでは忘れていたわけではないものの記憶の海に沈んでいたんだよね。加害者はすぐ罪をわすれるけれど、被害者はずっと覚えているのは本当だ、と改めて「加害者」側として強く思った。今までは「被害者」の立場で、ずっと覚えている側だったのだ。
その友達とはもう連絡がとれない。謝る機会もないだろうし、謝るという行為について、「自分が許されたいがためにそうしたいのだ」ときっとどこかで思っている。純粋な謝罪ではないのではないか、ということにひっかかりを覚える。それに謝ってどうこうなる問題でもないし、もし逆の立場であっても「今更そんなことを言われても」としか思わないだろう。