保坂和志の言葉をとりあげてつぶやいていく Twitter アカウントが人気だ。
彼は文筆のプロであるわけで、仕事についてストイックな姿勢を持っているわけだから、そこでとりあげられる彼の言葉はどれも至言にみえる。だからみんな、彼の言葉をお気に入りに登録し、リツイートをして他人へと共有したがる。
そんな光景を見ていて、ぼくはちょっとした悪意をふくむ欲望にかられた。そのアカウントをハックして、保坂和志の言葉のなかに、こっそりとぼくの言葉を紛れ込ませたい、と。
おそらく大多数のひとはぼくの言葉が混ざっていることなどに気づかないだろうから、ぼくの言葉は多くのひとびとに重く受け止められることだろう。
そんなひとびとをぼくは笑いものにしてみたいと思ったのだ。