父の話をした。
父は3年前に癌で他界している。
生前はまぁ仲が悪くて、笑顔で話しているのを見たことがないし何で離婚しなかったんだろっていう夫婦だった。
病気が発覚して、母が毎日お見舞いに行っているのが意外だった。
死んですぐに借金が発覚して母が骨壷を投げたり、謎の愛人だったっぽい女性から花が届いたり色々あった。
飲みながら父の話などをしていたら、母がふと言った。
「こないだね、お仏壇の前で、お父さんが死んで初めて涙出てきたの。ちょっとそこから出てきて飲もうよーって。
あの適当なお父さんと飲みたいなー、って思った。」
聞いた時泣きそうになったし、母といる間中度々思い出されて半泣きになっていた。
うまく言えないが…
母は私たち子供よりも何倍も父に対する思いがあるだろうなーと思って。
それこそ父が死んで3年も泣けないぐらいの怒り、憎しみやうらみつらみを含め、
情とか、好きとか?色々深い思いがあるんだと思う。
その色々が和らぐ程度に時間が経ったんだな、と思った。
えぐられるような激しい悲しみは死後1年ぐらいで薄らいでいったけれど、
その分良い思い出は懐かしくやわらかく思い出されてやっぱり悲しいね。
笑っている所が思い出されるなー。適当で、よく酔っ払ってよく笑ってる人だった。