不安定になれば当然、安定を取り戻したいともがく。
彼らは心に巣食った不安定さは、自分と不可分であると信じ切っている。
そこで最も確実に安定さを取り戻す行為、死を望むこと、
すなわち自殺を考え始める。
本質的に不安定な人生だからこそ、人間は安定の価値を高く置く。
だが、安定を極端に求め過ぎれば、私達は生きること自体に倦み始める。
たとえ安定した職を得、安定した人間関係を構築できたとしても、
今度はほんの少しの生活の歪みでさえ耐え難い苦痛となって立ち現れてくるだろう。
だから、ある程度の不安定さを受け入れる。すべてをコントロールしようとしないこと。