席も空いていた。けれども、立っている人もいた。
すぐ降りるとか、気分とかなんだろうとおもう。
高校生の帰宅にしては遅い時間なのは、部活の帰りだからだろう。
自分のところからは見えなかったけれど、ちょっと脚を広げていたのかもしれない。
突然、おっさんの怒鳴り声が聞こえてきた。
高校生たちが座っていることが気に入らなかったらしい。
高校生のくせに座るな、立っている人がいるのに座るな
気分悪いとただ難癖つけたいだけにしか聞こえない。
高校生たちは困っている様子。
自分の向いに座っていたおじさんは、どうしようもないと
バカにしたように笑っているだけ
降り際に若い綺麗なお姉さんが、
あなたの怒鳴り声を聞く方が気分悪いわ
と言って去って行った。
直後、高校生たちは席を立った。
もちろん、おっさんは大人しくなった。
座っていても咎められるような状況ではなかったのだから。