茶色っぽく先がとがった靴……の若いおとこがうずくまっていた。
「うぉおおおおおおおおおおおおお、おおおおおおおおおおおおおおおん、おおおおおおお」
と叫びだした。
え、やばい系の人?と焦り、襲われてもいやなので、
ジリジリと遠ざかろうとするとまた、
「おおおん、うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
って叫びだした。
たまたま通りがかった外国人観光客らしき人が、声をかけている。
ボクもこの外国人がどうなるか気になって、チラ見している。
そうすると彼は、ふたたび
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
と絶叫して、ぴたりと動かなくなった。
自転車の鍵でもなくしたのだろうか。
危険ドラッグでもキメたのか。
ふと、空を見上げると月がひかっていた。