2023-05-23

性自認」と「無意識発見」と大脳辺縁系

私は、トランスジェンダー性別違和)が治療(体の性に脳を合わせる)すべき疾患だと考えている差別主義者だけども、しかし、反トランス論者の多くが性別違和病態まり性自認とは何か」を誤解していることは苦々しく思って見ている。

彼らはあたかも、性自認意識問題だと考えている。「女だと言えば女として扱うのか」という意見がそれだ。

しかし、性自認は、無意識問題だ。

フロイトの「無意識発見」は100年前、仏教における識と般若区別は遅くとも1400年前に遡るが、我々の論理的思考なるもの心理作用のごく一部に過ぎないことは現代では常識であろう。

我々が自覚的に考えるものなど、大脳新皮質作用に過ぎない。「自分は女だと思い込んでみる」なんてのは意識界、脳で言えば大脳新皮質の働きに過ぎない。

これと異なり、性自認は脳の分界条床核からもたらされる。「自認」とは言うが、認識はできても思考によってコントロールすることはできない。

から、「俺が女だと言い張れば女なのか」という問いに対しては、「女性器がないあなた身体的女ではないように、女性型の分界条床核がないあなた精神的女ではない」という答えになる。

 

その上で、性器と分界条床核にミスマッチがある時にどちらに合わせるかといえば、性器に合わせた方が良い。

分界条床核はセロトニン作用させる機構であり、うつ病などと同じく向精神薬による調整が見込めるが、性器は作れないし、生来性器を切除し別の性器風の見た目を形成するのは身体的にもホルモン的にも害が大きい上に得られる成果が小さい。

世の中を悲観的に捉えることを治療して良いのなら、性自認治療して良いはずだ。

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