2022-09-21

[] 脳の性差男性ホルモンのせい

ヒトにおける男女間の脳差の生物学的基盤を解明することは困難であった。最も顕著な形態差は大きさであり、男性女性よりも平均して脳が大きい。しかし、この差がどのように生じるかについての機構理解は依然としてわかっていなかった。

ヒトにおける性特異的な量的な差異は十分に確立されており、成人男性は平均して脳容積が大きく、ニューロン密度が増加し、いくつかの脳領域灰白質が増加している。出生時体重補正した後でさえも、新生児の大きさの差が存在することは、発達起源示唆しているが、これらの大きさの差がどのように生じるかはまだ明らかにされていない。

男性の脳では発生時に男性ホルモンであるアンドロゲン神経細胞が大量に浴びるが女性の脳ではこれは起こらない。なのでアンドロゲンが脳の男性化に関係している可能性が考えられた。

オルガノイドを用いてこの問題アプローチした結果

1 細胞の性染色体は神経発生に対して影響を及ぼさなかった

2 アンドロゲン投与は細胞の増殖を増加させた。この効果女性ホルモンエストロゲン投与では見られなかった

3 アンドロゲン投与は興奮性神細胞を増加させるが、抑制性は増加させない

4 アンドロゲン投与による神経細胞数の増加は9.4%で男性脳で見られる9.8%と非常に近かった

以上の結果は興奮性神細胞数の調節におけるアンドロゲン役割を明らかにし、ヒトにおける性に関連した脳の差異起源理解するための一歩を示すものである

Nature  602, 112–116 (2022)

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん