2021-06-16

[] ファーザー

主人公認知症映画

かつて「病気の中でも精神病気は別格だ。他の病気なら、手足が動かなくなっても、内臓を摘出されても、自分自分のままだが、精神の病では、自分自分でなくなってしまう」

という文章を読んだことがあります。(うろ覚え

また、主人公の「自分自分でなくなってしまう」という変容の恐怖を描いたホラー小説もあります。(朝松健には統合失調症の症状をモデルにしたと思しき小説複数あります


時計を盗まれた、と主張し、盗まれていなかったことが客観的証明されたのに、誤った考えを訂正させるのが不可能である、というシークエンスのように、明らかに妄想であるとわかる客観的描写があり、身近に老年性の認知症の人がいる人にとっては「あるある」描写も多く、本作は真面目なーいわゆる社会派のー映画です。

しかし、メインは認知症患者主観を中心に描いているので自分が狂ってしまう恐怖を味わうことができる、ホラー映画の側面も持っています

まじめ過ぎないー学術的正確さを優先していないーので主人公アンソニーのアクトが面白いんですよね。

実際の認知症の症状はもっと陳腐でつまらないものなんですが。

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