母は「好きな物を選びなさい、今日の分だけお母さんが払ってあげる」とだけ言って、自分の化粧水を買いに行ってしまった。
自分より背の高い棚に所狭しとカラフルなパッケージが並んでいて、どれをどう使うかもよくわからず、途方にくれて居心地が悪くて不安でただ目の前の商品を取って戻してを繰り返した。
いらっしゃいませのBGMのループを聞き飽きた頃に母は戻ってきて
決まった?と聞いたので私は首を振った。
母は笑って、どの商品をかわいいと思った?綺麗だと思った?と聞き、迷って迷ってマジョリカマジョルカのキラキラの魔法少女のコンパクトみたいなケースを渡した。
私からそのケースを受け取った母は派手だね~と笑いながら、じゃあこれに似合う商品買おうね、肌が強くないから優しそうなやつにしようね、とアドバイスしてくれた。相変わらず商品の事はちんぷんかんぷんなので母が選んでくれるがままに従った。
最後にアイシャドウだけは私に選ばせた、10分程悩んで真っ黒なアイシャドウを選んだ。これは後に大失敗に繋がるのだが、当時の私は知る由もない。その真っ黒な塊を見て母はまた笑ったあと、いいよと言って籠に入れた。
私は母と化粧品を買ったこの日の記憶が好きで、コスメコーナーに行くたび思い出す。私が化粧を楽しく思うのはあの笑顔と肯定があったからだと思う。
良いな。 私も似たようにドラックストアで初めての化粧品を買ったよ。 化粧品なにもわからないのに選べって言われて、へちま化粧水とファンデと口紅を買ってもらった記憶。 マジョ...
元増田です リアクションしてくれた人がいてくれてなんだか嬉しくなりましたので 買いに行ったきっかけもちょっと書こうかな。隙あらば自分語り。 春から当時住んでいた所より都会...