家の中には、大きな家具から引き出しの中の小さなクリップまで、いったい何点の物が存在しているのだろう。
引っ越しのたびにその物と向き合い、持っていくのか、捨てるのかの選択。
新居に着いたら、どこに置くのかを考える。
結婚する前は、コレクション好きで、物が増えていくことに喜びすら感じていた。
それもそのはず、実家暮らしだったこともあり、自分の管理範囲は自室だけ。
引っ越しもないし、目が行き届く範囲だし、物が増えても痛くも痒くもない。
冷蔵庫の中から洗面台の下のハブラシの在庫まで、気を配らなければならない。
もし切らしてでもいたら、整理されていなかったら、無くしてしまっていたら、汚れていたら、
夫は別に文句は言わないけれど、なにより、主婦力の低い自分への罪悪感がハンパない。
会社で総務の仕事をしたことがあったけど、自分には本当に向いていなかった。
夫はいずれ家を建てたいと言っている。
引っ越しはなくなるけど、夫のものと子供のものと、部屋数だけ管理範囲が広がることへのプレッシャーを感じる。
さすがに夫のものや生活必需品までは強制はできないから、自分のもの限定だけど、物欲がなくなってしまった。
今や単行本一冊すら所有したくない。
管理物がこれ以上増えるのが恐い。
問題意識が低いレベルか高いレベルかとで分けると、元主は今後どう管理するかに目が向いているし、既に転勤を踏まえた引っ越しを何度も経験しているからその辺の一生戸立て住まい...