2013-04-03

子供の頃田舎に帰っていた時、留守番を頼まれたんだよね。留守番って言っても、盗られて困るようなものはそもそも置いてないからこっちも特に気にしないでゲームとかやって遊んでたの。

そのうちにゲームにも飽きて、今日みたいな春の日だったかな。暖かくってついうとうとして畳の上に横になったの。畳の匂いが心地良かったな。

んで、眠ってると手の甲に変な感触を感じて目が醒めたわけさ。何だろうって思って目を覚ましたら、長い髪の女の子が俺の手の甲を舐めてるんだ。ぺろぺろっと。

びっくりして飛び起きたら、「一緒に遊ぼ」って言われて、裏庭の方に逃げていったんだ。何となく跡を追いかけなきゃいけないような気がして追いかけてみたんだよ。

そしたら、裏庭に満開の桜が咲いていた。そんなもの見たこともなかったか唖然として見惚れてたな。

何ていうか、リンゴ農場みたいな感じ? 等間隔に桜の樹が植えられているんだよ。花びらがつむじ風に吹かれてクルクル回ってたんだ。

気がつくと、そこにさっきの女の子がいたの。しか全裸で。髪が腰ぐらいにまで伸びてたのを覚えてる。

桜色の乳房乳首、そして陰毛も何も生えていない股間。

その時はエッチな知識なんてなかったから、何ていうか怖いものを感じて逃げ出したことを覚えてる。ところがいくら走っても家にたどり着かないんだよ。

裏庭だよ? 行く時は一瞬で行けたのに、帰る時は必死で走ってもどこまでも桜の満開の下で家になかなかたどり着かない。

さっきの女の子のケタケタ笑う声が聞こえてきたから、何だと思って振り返ったら追いかけてきてやんの。そりゃもう必死で逃げたさ。

気がつくと俺、座敷の真ん中に寝かされてた。何が起こったのか分からなくって、親に聞いてみたら俺が裏庭で気絶してたんだって

その日から三日ぐらい熱出してさ。留守番サボったことは結局お咎めなしってことになって。

それと関係があるのかどうか分からないんだけど、こないだ事情があって戸籍を見ることになったんだよ。そしたら俺には実は姉がいることが判明。

姉の死なんて全然知らなかったから両親を問い詰めたんだけど、結局有耶無耶になったまま終わっちまった。

今でも満開の桜を見ると、あの微妙エロい女の子のことを思い出すんだよな。

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