はぁ。今日もまた奴が帰ってきた。今日は一体どんな要求をしてくるのやら。
「し、し、し、しずかちゃんがもう初体験を済ましたんだって!」
「!?」
「ガールズトークを立ち聞きしてたらそう言ってたんだ!どどどどうしよう!しずかちゃんは僕のお嫁さんになるはずなのに~~~」
――今回はわりと重い話だ。中学に入ってからというもの、彼はもっぱら自身の変態性欲を満たすことに夢中になっていた。石ころ帽子やガリバートンネル。秘密道具にかかれば覗きオナニーなんてわけもない。またてっきりそんな話かと……。
「あのクソビッチが!清純そうに見えて僕を裏切りやがった!あの女は糞だ!復讐してやる!ファック!くそsdbjkzbczxkzんんsdふぁz!むしろあんなビッチこちらから願い下げだよ!」
「落ち着きなよ。君の今の姿を見てごらん。性欲にまみれ変態オナニーに明け暮れる君なんかを好きになってくれる女の子がいると思うのかい。君はしずちゃんの性を悪く言うけれど、しずちゃんを毎日毎日脳内で穢していたのは君じゃないか。裏切りっていうけど、君はしずちゃん以外の女の子やアイドルでオナニーしていたじゃないか。もし誰かがセックスさせてくれるならば喜んで襲いかかったろうに。君の貞操が守られているのは君がもてないからでしょ。もしセックスが可能ならば誰よりも淫乱なのは君じゃないか。しずちゃんは君と違って今もまじめないい子だよ。彼女は真面目な恋愛の果てに肉体関係を結んだんだ。彼女が処女であってもなくても、君が好きならいいじゃないか。そんなことでしずちゃんを悪く言うなんて、その程度の思いでしかなかったってことだろ」