この記事に限ったことじゃないけど
「起業」=「無条件に善(個人にとっても経済にとっても)」って人たちの考えがよく分からない。納得できない。
新しく事業を興す理由は大きく分けて二つあると思う。
1. 金を稼ぎたい 大金を摑みたい <資本主義派>
2. 自分のやりたいこと・ほしいものが社会に供給されていないため、自分がつくる側に回る <自己実現派>
(良い労働環境を求めて起業を考えるもいるだろうけど、だったら既存の優良な会社に入る方が実現可能性は高そう)
金が原動力となって精一杯働ける人なら、問題ない。
起業しなくても、外資とかで朝から晩まで働くのもいいだろう。立派だと思う。
だが、大半の人間は、そんなに「大金」は求めていないんじゃないか?
いわゆる「絶対的貧困」は上回るけど、ブランドものとか自動車とか家とかは買えない。だけどかまわない。そもそもあまり欲しくない。
「若者の○○離れ」っていうのもその傾向の一つだと思う。
大金よりも「そこそこの金+時間」の方を選択したいと考える人たち。(含む自分)
このような志の高い人、自分の目標が明確に定まっている人は、もちろんいるだろうけど、やはり少数だと思う。
この種の人たちのために起業しやすい環境を整えることは良いことだと思う。
だけど、大金を手にすることを求めていない、「普通」の人々が、
既存の会社に入って給料をもらうオルタナティブとして起業するのは、ハイリスク・ローリターンだとしか思えない。
はてなで取り上げられるような人たちは、多くは起業して成功した(or失敗を糧に現在は順調に生きている)経歴を持っている。
もともとIT系技術者がはてなを利用する傾向が多かったので、ITベンチャー系の有力者・成功者がブックマーク等で人気を集めやすい。
だから、そういう方々が起業の良さ(と難しさ)を語り、他者に起業を勧めたくなる気持ちもよく分かる。
ベンチャー企業の社長が「やはり終身雇用・年功序列の日本的経営は素晴らしい」とかは言わないだろう。自己否定になる。
しかし。
何度も言うように、この世の大半を占める人たちは、
フロンティアスピリットもなく、大金持ちになるために自分の人生を「賭け」てみる気持ちもなく、
ただ普通に生きたいだけなのだ。
それがさらに進んで「起業精神のない日本人(日本社会)は遅れている」等の、価値・義務・正義的観念を持って喧伝するのは、
やはり行き過ぎだと感じざるを得ない。
多くの人の幸福を考えるのなら、みんなに起業を強迫的に勧めるのではなく、
既存の企業を利用した、労働環境の整備に力を注ぐべきだと思う。
私(たち)は、あなた方のように、頭も良くないし、行動力もないのです。
いや、そういう人は、ついて行けばいいだけじゃないの? 中心となって起業する人に。 その中で見えてくるものもあるだろうし。 1. 金を稼ぎたい 大金を摑みたい <資本主義派> ...
大体「起業するぞぉぉぉぉ!」って気合の入った人は最大限にいい表現をするとがんばりや、悪く言えばワーホリ。 IT系ベンチャー限定だけど、俺が見てきた人たちは大体そんな感じの...
本当に「ゆとり世代」って言われちゃうような、競争を避ける育てられ方をしてきた人には起業は難しいだろうね。 それに、ある程度の軍資金も必要だしなあ。