2010-02-10

引用に終始するサブカル好きが日本の文化を滅ぼす

日本の文化が、かなりマズい方向へと進み始めている。私はこれを止めなければならない。そのためにこれを書く。

まずはひとつの記事を紹介しよう。あまり人に広めたくないあまりにも醜悪な文章だ。

しかし、現代における様々な問題を見事に一点に凝縮しているので、思い切ってリンクする。

神聖かまってちゃん

http://blog.livedoor.jp/hitoshione/archives/51007015.html

このバンドのことを知ったのは漫画モテキ」。

モテキ」は毎回作者の久保ミツロウさんのセンス&チョイスで

その回のテーマに近い楽曲名がそのままタイトルになっている。

例えば「格好悪いふられ方」とか「深夜高速」とか「ザ・ミーハー」とか「はっきりもっと勇敢になって」とか。

オレにはその絶妙なセンスがツボで

「おっ、大江千里か!」とか「フラカンね、はいはい」とか「森高かよ!」とか

「ついに岡村ちゃん使ってきたかあ」とか

タイトルを見てそのアーティストミュージシャンを当てるのを

毎回楽しみにしていて連戦連勝ですべて当ててきたのだが

去年の秋ごろに初めて「・・・知らんなあ・・」となった。

それが「モテキ」3巻・23話のタイトルロックンロールは鳴りやまないっ」だった。



後悔した。やはり醜い。スノッブとはこいつのことを言う。

何が醜いかというと、モテキの作者がただ見栄えをよくするためだけに楽曲タイトル引用する態度と

その引用元がわかることに喜んでしまうという読者との共存関係だ。

同じように注目されているマンガで『ザワさん』というものがある。このマンガでも全く同じ現象が存在した。

それは耳にイヤホンを指している男子高校生に対して矢印書きで書かれた「伊集院ラジオを聞いている」という文字だ。

「そんな高校生、今どきいるか」という二重の意味で驚愕したのだが、本当の問題はそこじゃない。

この引用は作品のクオリティに何の影響も与えていない。ただただ、作者が好きなものを作品内で提示したにすぎない。

わかってる奴だけが気づいて不気味にニヤリと笑うだけだ。この醜悪な一連の行為はいったい何なのか。

はっきり言うと「私はあなたの仲間である」というマーキングにすぎない。

ザワさんで言うと「私は伊集院ラジオを聞くような人間です」「伊集院ラジオ好きな人は仲間です」というメッセージ

作品内にわかる人間だけがわかる符牒を忍び込ませ、その意図は仲間意識を強めるためだけ。

これはニッポンサブカルチャーのもう至るところに散見される。

「私はあなたの仲間だ」と囲い込むためだけの言葉選びや引用

例えば映画秘宝文化圏。こいつらはやたらと「俺たちボンクラは」という言葉を連発する。

ボンクラ」というキーワードだけでただ連帯している。このような囲い込みは排外主義を伴なう

事実映画秘宝は「ボンクラ」というキーワードに引っかかる人間だけを相手し、

お決まりの作法を繰り返して、自分たちの文化圏外を口汚く批判するだけでゼロ年代を終えた。

現代の創作はもうほとんど仲間意識を強める言葉引用を散りばめるだけで成り立っている。それが最近貧困さの原因でもある。

最近サブカル好き同士の会話なんて、お互いが好きなキーワードを連発し合ってにやりと笑っているだけの、

本当に貧困で醜悪で、言葉にできない酷さだ。そんな人間日本の文化を滅ぼすんだ。どんどん自閉していき緩やかに自滅していく。

島本和彦が『天元突破グレンラガン』を評した言葉を紹介しよう。

「俺の言葉を真似するよりも、あなたの言葉で俺を震わせてくれ」

この言葉意味を……あなたはわかるだろうか。わかっちゃいけないんだよ。

  • この記事に提示されてるマンガは読んだ事ないけど、同じようなこと思うときがよくある。 漫画読んでて、いきなりJOJO風の絵柄になったりすることがよくある。ものすごく萎える。それ...

  • http://anond.hatelabo.jp/20100210222854 文脈の引用でなく、ネーミングだけを戴いて高尚ぽく見せようってのが問題なんだよね。 clannad問題思い出した。

  • パロディとかオマージュとかいう言葉を知らないの? 別に日本に限らずハリウッド映画とかでも良くあること。 視聴者としては楽しめれば良い。

  • なんでお前が止めなきゃいかんのだ?お前は何者だ?

  • 日本の古典文学読めばいいよ。徒然草とか。 読者が中国の古典名文を頭に入れてることを前提にパロディ使いまくってるから。 今に始まったことじゃない。品が変わっただけ。

  • パロディは作品としては三流で、オマージュもやりすぎれば作品自身の価値はない。 その作品をフィルターにして、その作品の向こうの、オマージュなりパロディなりの対象の作品を見...

  • あまりにも無知蒙昧が多いので驚き呆れかえっているところだ。 はっきり言おう。あなたたちには文章を読む素質がない。これっぽっちの才能も持ち合わせていない。 なぜなら文面でこ...

    • プロのライターだと聞いて驚愕を隠せないわけですけど、いやいや、 「金も出ないのに本気の文章を書くわけないだろ」ということですよね、先生?

    • あなたは作品に何を求めてるの? 愉しむ人がいるのならなれ合いでもなんでもいいじゃない。 誰も彼もが崇高な物語を書くべきなんて話しはないだろう。

    • 私が言っているのは「作品のクオリティに何の関与もしない、仲間意識で囲い込むためだけの引用」である。 作品のクオリティに関与する引用と関与しない引用の線引きを明らかにし...

    • エンタメで大衆文芸であることを捨てるとわざわざ言い出すから新しそうに聞こえるけど、 純文やVIP小説や朝日新聞の論説ってそんなのばっかじゃね? 朝日新聞は取ってないので...

    • 釣りタイトルの多さ 推敲してない長文 書き手が悪い

  • 『現代の創作はもうほとんど仲間意識を強める言葉や引用を散りばめるだけで成り立っている。』…でしたっけ? そうとしか思えないご自分の洞察力やら感受性やらを磨くことの方が、...

  • 是非はともかくとしてそういうことを最初にやりはじめたのって誰だろう。 バスタードの魔法名? ジョジョのスタンド名?

  • それがサブカルスノッブだけの特質であるとどうして言えるのか。いいかえれば「面白さ」とは「私(たち)にはこれが理解できる/あいつらには分からない」という意識と同じじゃな...

  • そもそもこれって「引用」っていうのか? どっちかというと「内輪ネタ」「楽屋ネタ」の方が当てはまる気がするが 最初タイトル見たときは「今のアニメはパクリばっかり」みたいな糾...

  • 引用とかパロディは昔からあるから関係ないのでは。 それよりも最後の島本氏の言葉のことを言いたいのならば、 「最近の若者は特定の人物の意見を全てと考えて、自分の考えを持たな...

  • ちょうど今モテキ3巻読んだとこで、この文章読んだ。 3巻の後半に、ソラニンの作者であるところの浅野いにおの連載中の漫画の「おやすみプンプン」のパロディというかモロパクリ...

  • タイトルを見ててっきりtumblrのことかと思ったが違うようだ まずあなたが心配しているのはサブカルではなく漫画とアニメである。 サブカルを語るならもっとお外に出るべきだ。 ...

  • こちらの文章を読んで、いろいろ思った。 引用に終始するサブカル好きが日本の文化を滅ぼす http://anond.hatelabo.jp/20100210222854 「スノッブ」「『私はあなたの仲間である』というマー...

    • 「スノッブ」「『私はあなたの仲間である』というマーキング」「『私はあなたの仲間だ』と囲い込むためだけの言葉選びや引用」 こうしたものだけで、徹底的に埋め尽くした漫画...

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