たとえばこんなゲームがあったとする。
もらえる額を期待値で考えると二百円である。 参加料を差し引くと百円の利益だ。 確実に有利な勝負だ。
一万円を用意して百回参加できるなら二万円になってかえってくるだろう。
だが、百円しか用意できない人が六人参加すればおおよそ二人は無一文になって勝負から脱落するわけだ。
確率のゲームでの有利不利というのはあくまで確率であり、確率を量にするには試行回数が十分に多いという前提が必要なのである。
ここが期待値という概念の落とし穴で、自分が持っている資産に対して一口の額が大きすぎる投資をすると期待値での有利さを覆す即死級のダメージが待っている。