子供が生まれて初めての雪が降った。昨年冬にこっちに引っ越してきて、それまでは雪の降らない地域にいたから、彼は生まれてから3年経って初めて雪に触れたことになる。
昔はもっと降っていたような気がする。ぼくがよく雪の降る地域に住んでいた頃、小学校への通学路は冬になると大体雪が積もっていて学校の遊び場だった。5kmくらい歩いて学校へ行くのだけれど、最初は手のひらに乗る大きさの雪玉が学校に近づくうちに自分達と同じくらいの大きさまで成長していき、最後はみんなで川に落とすのが好きだった。
息子にとって初めての雪は、社宅の周りの木や自転車小屋、車に積もった雪だ。翌日の昼にはすっかり溶けて無くなってしまう程度の積雪だから大きな雪玉は作れない。けれど家族で高さ30cmくらいの雪だるまを作るくらいには降り積もっていた。作った雪だるまはベランダに置いたが、もうこの天気だと溶けているだろう。彼にとっての初雪は雪だるまで、触ると冷たくて、サラサラしていた。