「私、あなたを愛していますの。心から愛していますのよ。何も喋らず、ただただ一緒にいるだけで、恥ずかしいくらい幸福なのですよ。ああ、ずっと一緒にいたい。寄り添っていたい。あなたのしたいことを聞いて、あなたのしたいことをずっと一緒にしていたい」
圭子はそこで一瞬口ごもった。隈なき清純な本心を語る恥ずかしさが、圭子の中に僅かに戸惑いを生んだのだった。だがその戸惑いはすぐ打ち破られる。なによりも眞への愛の告白が先行したのだ。それはいかに眞を愛し信じ慕っているかを証明していた。
「黙れ!」眞は考えるより先に叫ばずにはいられなかった。“黙れ”……口に出てしまってから言葉の機微が尾を引いた。小動物の反射のように圭子が震えた。想像外の眞の叫びに、眞の明らかな拒絶に、圭子は怯えた。