今日はよく寝た。
よく寝たというのは目覚めが良いというわけではない。睡眠時間が長く、また寝る回数も多かったというわけだ。一日の大半は寝ていたような気がする。
そんなわけはないのだが。
頭がぼーとする。
暖房がよく効いた部屋にいるとのぼせてくるが、あの感覚に近い。
外に出ると冷たく澄んだ空気が心地良く感じる。最近はだいぶ過ごしやすく暖かくなってきたが、それでも寒さはまだ残っている。
今日の天気は曇りだ。
空には量感のある雲が全体に広がっており、位置は低い。周りの世界はくすんだ白色といった感じだ。決して眩いばかりの明るさというわけではなく、目に優しい明るさだ。
路面を見ると墨汁や絵の具のように深い黒色になっていた。雨が降っていたのだろう。いつもだったらアスファルトの路面はそこまで黒くなっていない。
このような天気の日はどこか色が少ないように思える。
まるでモノクロのような。
決して色がないわけではないのだが、鮮やかとは言えない。彩度が低いように感じる。華やかさや抑揚といったものもない。
そんな世界を見ているとすぐに手足が冷たくなってきた。
部屋に戻るとする。